2022年8月19日投稿
2022年12月9日更新

近頃、ビタミンCの美容液や化粧水を化粧品売り場や,
ドラッグストアのスキンケア売り場で見かけませんか?
言われてみれば、思い当たることがある方も多いですよね。
ビタミンCと聞くとレモンや酸っぱいものをイメージしてしまいます。
スキンケア製品に含まれるビタミンCとはどんなもので、美容にどんな効果があるのでしょうか?
美容液・化粧水にふくまれたビタミンCのメリット・デメリットは何でしょうか?

エイキンでは気になるビタミンCスキンケアについて、薬剤師であり*コスメコンシェルジュでもある新田けい子さんに聞いてみました。
*コスメコンシェルジュ‥日本化粧品検定協会が定める【コスメが読める美容の専門家】

今回はビタミンC美容液・化粧水についてけい子さんに監修、商品テストをしていただき、使用感、解消できる肌の問題について詳しく解説していただきます。

ビタミンC美容液3980円
ビタミンC美容液3980円

ビタミンCについて

ビタミンCとは

→別名:L -アスコルビン酸といいます。
美容としての効果と必要性について。
ビタミンCは骨や血管の強化、お肌のハリ・お肌の弾力を担うコラーゲンの生成を補う働きがあります。

美容としての効果と必要性について

抗酸化作用のほか、シミ予防・毛穴・角栓ケア、脂性肌による皮脂の過剰分泌の抑制・テカリ防止、ニキビ予防・ニキビ跡にも効果的、とあらゆる肌の悩み解決に重要な成分となる栄養素です。

スキンケアには必ず取り入れていただきたいのがビタミンCです。

ビタミンCの美容メリット

ビタミンCには肌への美容メリットの他に、紫外線・喫煙・睡眠不足などから生じる活性酸素(フリーラジカル)を無毒化する働きがあります。

「美容メリット」
肌のハリ・弾力の要素となるコラーゲンやエラスチンを保護することでシワ・たるみ予防効果も担う。

アスコルビン酸エチル

美白作用=過剰なメラニンの生成抑制・できてしまったメラニン色素を還元する(元に戻す)作用があります。→こちらのコラムでビタミンのメラニン抑制についてくわしく説明しています。

  • 紫外線はUVA・UVBに分類され、UVA (長波長紫外線)による肌が黒くなるのを予防します。

3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸

  • セラミド産生UP・
  • 敏感肌に見られる神経線維の伸長抑制(かゆみの1つの原因とされています。)

リン酸アスコルビルMg、リン酸アスコルビル3Na」

  • 皮脂抑制
  • 抗酸化力
  • 即効型ビタミンC

ビタミンCのデメリット

・ビタミンCは酸化しやすく、とても不安定な成分です。
そのためビタミンC状態では皮膚に浸透されにくい特徴があるため、
「ビタミンC誘導体」という形に変えて化粧品に配合されています。
「ビタミンC誘導体」はビタミンCの安定性を高め、皮膚に浸透した後に活性型のビタミンCに変化して効果をあらわします。
化粧品に含まれているビタミンCは「ビタミンC」ではなく、ほとんどが「ビタミンC誘導体」と記載されています。
化粧品のボトルや箱にビタミンC配合と記載があるのに配合成分を確認してもビタミンCが見当たらないのはが記載している名前が違うからです。

化粧品に含まれるビタミンC誘導体の種類

化粧品に含まれるビタミンC誘導体は3種類があります。

  • 水溶性
  • 脂溶性
  • 両媒性(水溶性+脂溶性)です。

3種類の特徴と化粧品の記載名を説明します。

水溶性ビタミンC誘導体

(水に溶けやすい性質のため、主に化粧水や美容液に用いられます。即効性が高く、短期間で肌に吸収されるのが特徴です。)

水溶性ビタミンC誘導体の名前
「アスコルビン酸グルコシド(ビタミンC+糖),リン酸アスコルビルMg、アスコルビルリン酸Na、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸硫酸2Na、グリセリルアスコルビン酸」

脂溶性ビタミンC誘導体

(脂溶性ビタミンC誘導体は油に溶けやすい性質をもっており、クリームや乳液に配合されることも多いです。油分と結合することで分解されるため、長時間じっくり浸透するのが特徴です。)

→脂溶性ビタミンC誘導体の名前
「テトラへキシルデカン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル」

両媒性ビタミンC誘導体

水溶性と油溶性の特性をもっているのが両親媒性(新型)ビタミンC誘導体です。つまり、即効性と浸透性の両方を持ち合わせていますが、安定性が低い傾向にあります。)

脂溶性+水溶性ビタミンC誘導体「パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na」

3つのビタミンC化粧品の特徴

今回3つの商品を用意して使用してみました。 3つを選んだ理由は・目的が違う3種類のビタミンC美容液・化粧水を選び、使用感、配合成分、オススメの肌タイプをまとめてみました。
(弊社が独自の調査から、選んだもので広告などではありません)

Dr.CI:LABOのVC100エッセンスローションEX

1.「Dr.CI:LABO」VC100エッセンスローションEX(化粧水)

配合のビタミンC→

パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na (脂溶性+水溶性)
3-O-エチルアスコルビン酸(水溶性)

感想と考察
「テクスチャーとしては、とろみ感が一番あり、しっとり仕上げが好みの人にオススメです。 伸びがとても良いので優しくマッサージしながら塗布していくのも気持ちがよく、オススメ
です。」

「化粧水だが美容液と間違えてしまいそうなとろみ感と、3種のヒアルロン酸で保湿効果もあるので成分的には比較的、乾燥肌タイプの方に合いそうです。」

「持続性型ビタミンC誘導体も配合されていても、肌の乾きを早く感じました。そのためお風呂上がりのような肌が柔らかいうちに塗布して、塗布後なるべく早く、肌の水分蒸発を抑えるためにクリームや乳液を塗る保と良いでしょう。」

オバジC25

2.「オバジ」C25セラム ネオ(美容液)

配合のビタミンC→アスコルビン酸(水溶性)、3-O-エチルアスコルビン酸(水溶性)

感想・考察 「オバジ製品開発史上、これ以上配合することは不可能を言われた高濃度のビタミンCが配合されているだけあり、少し肌に刺激を感じることがあります。

肌バリアのある程度整っている人が使用することをオススメします。

水溶性のビタミンC誘導体なので、肌への浸透は高くないが、皮膚表面に高い効果と即効性があることから、肌表面の刺激があることも考えられます。

日焼けやクーラーなどにより肌乾燥が進んだ日は、肌がダメージを受けているので、少しピリピリと刺激を受けやすく感じることがありました。

刺激を受けた際は洗い流す以外に、オススメとしては保湿クリームまたはオイルを塗って緩和させる方法もあります。

またブースター美容液の後に塗ると肌が潤った状態になるため、肌なじみ良くピリピリとした刺激も緩和されます。

オバジはラインナップも豊富なため敏感肌の方は低濃度のものからスタートして、肌を整えながら濃度を上げていくような使い方の必要性を感じました。」

エイキン美容液RHC

3.「エイキンジャパン」ローズヒップオイル+ビタミンC美容液(美容液)

配合のビタミンC→テトラへキシルデカン酸アスコルビル(脂溶性)

感想と考察

ローズヒップオイル美容液は苦手意識があったけれど、使い続けることでオイル美容液人気の理由に気づきました。 特に乾燥が気になるのとエイジングケアを求める人にオススメです。

今回の3商品の中で比べると、このローズヒップオイル美容液は皮膚への浸透性と効果の持続性が高い脂溶性ビタミンC誘導体が配合されているためか、一番お肌が保護されている感じを受けました。 刺激もなく、塗った後にすぐに肌の乾燥を感じることがないため、ゆっくり次のケアに進められました。

顎などざらつきが気になっていたところが1週間ほどで滑らかになり、継続していくとつるりとした手触りに変化するのを感じました。

お顔だけでなく、膝やかかとなど、ブツブツやガサガサなどの気になる乾燥箇所がある人には特におすすめです、刺激なくケアできる商品だと感じています。」

同じビタミンC化粧品でも商品によって特徴があります
特徴を理解して自分の肌に合うものを購入するようにしましょう。
3つの商品の特質すべき特徴を図にまとめてみました。

ビタミンC 美容液・化粧水の感想と効果

3種類別の使用感動画になります。
さまざまなビタミンC誘導体配合の美容液・化粧水がありますが、化粧品に配合されているビタミンC誘導体の種類や性質によってお肌へのアプローチも変わってきます。
ビタミンC美容液•化粧水を選ぶ際にこちらのコラムが参考になれば嬉しいです。

理想的なビタミンCとは・・・

ビタミンCは内側・外側の両面からのダブルアプローチで摂取していきたい成分です。

ビタミンCはコラーゲンを作るために欠かせない成分で、体内ではコラーゲンは骨や血管を強化させるために大切な成分です。
そのためビタミンCが不足すると骨がもろくなったり、内出血・貧血が起こり易くなる原因に繋がってしまいます。
特に女性は年齢を重ねると骨が弱くなりがちなので、気づいた時から摂取しようと心がけていくのは体を健康に保つためにもとても良いことです。

内服摂取する場合のビタミンCは水溶性ビタミンCになるので、体に不要な量は排出されていきます。
大切なことは1日摂取量を守ることです。
私たち人間はビタミンCを体内で作り出すことはできません。
だからと言って飲めば飲むほど良いという訳ではなく、サプリメントなどで過量摂取すれば腹痛や下痢•吐き気など消化器症状として現れてくることもあるので、服用量には注意が必要なのです。

「化粧水、美容液などで外側からの摂取は効果がないのでは?」
という質問も意外と聞かれることが多いのですが、体の中に浸透させることが目的ではありません。
私たちの皮膚は表皮→真皮→皮下組織の層で形成されています。
ビタミンCの栄養成分がこれら皮膚の層を突破して体内に届くことが目的ではありません。
この皮膚を構成している層に働き、肌のバリア機能を強化させることが本来の目的です。
ビタミンCは皮膚の弾力・ハリを作り出すコラーゲンをつくるための重要成分なのです。
ハリ・弾力が維持されれば、皮膚のシワやたるみの予防になります。
シワやたるみが予防できれば年齢以上に老けて見えたり、肌がくすんでいるように見える心配もありません。 また皮膚のバリア層が強化され健康的な肌が保たれるということは、細菌やウィルスなどからの感染予防・ニキビや炎症などの予防にも繋がっていくのです。

ビタミンCは万能美容成分とも言われています。
言葉通りの意味を持ち、オレンジやイエローなどのカラフルなカラーも連想させてくれるため、心も明るく元気にさせてくれる必須成分だと考えています。

ビタミンC美容液・化粧水のまとめ

肌のタイプ・解決したいお悩みに合わせて、配合されているビタミンC誘導体を選ぶことが大切。


  • 単体では不安定なビタミンCが化粧品に配合される際には「ビタミンC誘導体」という名称になります。
  • ビタミンC 誘導体には3つの種類がある
  • 水溶性ビタミンC誘導体((水に溶けやすい性質、短時間で吸収されるため、肌表面での即効性が高い。)
  • 脂溶性ビタミンC誘導体(油に溶けやすい性質、油と結合することで分解され、ゆっくりと時間をかけて真皮へ浸透していくため持続性が高い。)
  • 水溶性ビタミンC誘導体+脂溶性ビタミンC誘導体(水溶性と脂溶性の特性をもっている両親媒性(新型)ビタミン誘導体。即効性と持続性の両方を持ち合わせているが安定性が低いため酸化しやすい。)

*ビタミンC化粧品は成分によっては強いものもある為、使用前にパッチテスト(二の腕の内側部分など、外側から見えにくい皮膚の薄いところに塗り、赤みやピリピリ刺激を感じないか実験すること)を試してみることをオススメします。

さまざまなビタミンC誘導体配合の美容液・化粧水ですが、化粧品に配合されるビタミンC誘導体の種類や性質によって肌へのアプローチも変わります。 このコラムを読んでいる方がビタミンC美容液・化粧水を選ぶ際の参考にしてください。

解説者のプロフィール

《 プロフィール 》 薬剤師免許取得後、美容専門学校を卒業。

日本化粧品検定2級・1級・コスメコンシェルジュ、コスメコンシェルジュインストラクター取得。

現在は薬局薬剤師と美容専門学校の講師、個人・モデル撮影やコスメコンシェルジュの知識を活かしながらメイクレッスン・セミナーを中心に活動中。

ビタミンC


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    • 当コラムにおける化粧品に関する情報は、読者、消費者の方々に適切な商品選択をして頂くことを目的に、薬剤師等に対して当社より課題、テーマを提示の上、執筆を依頼しております。主眼は、商品より成分であり、特定の商品に関する執筆を依頼しているわけではなく、また特定のメーカーからの販売又は紹介に関する対価が発生するものではありません。

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